この疾患は、細胞内のDNAを束ねる役割を持つ「ヒストンH3.3」というタンパク質を作るH3-3A(H3F3A)またはH3-3B(H3F3B)という遺伝子の変化(病的バリアント)によって引き起こされます。
多くの場合、両親にはその遺伝子の変化はなく、お子さんの代で初めて生じる「新規変異(de novo変異)」です。
家族に同様の症状を持つ者がいなくても、誰にでも起こり得る疾患であります。そのため、次の兄弟姉妹が同じ疾患を持つ可能性は極めて低い(1%未満)です。

この丸いドラム缶のような形のものが、ヒストンです。

現在、確立された臨床診断基準はありませんが、以下の所見がある場合に本症候群が疑われます。
報告されている57人の症例に基づいた、主な症状の出現頻度は以下の通りです(※2026年2月現在:100人程の症例数になっている)
| 特徴(症状) | 頻度(報告数/全数) | 備考 |
|---|---|---|
| 発達遅滞・知的障害 | 100% (56/56) | 多くは重度。独り座り、歩行、発語が難しい場合がある。 |
| 顔立ちの特徴 | 88% (50/57) | 特定のパターンはないが、非特異的な顔貌の特徴が見られる。 |
| 筋緊張低下(ただし筋緊張亢進の場合もある) |
72% (41/57) | 乳児期に多いが、成長とともに改善する場合がある。 |
| 眼科的異常 | 53% (30/57) | 斜視が最も多く、眼振や皮質視覚障害も見られる。 |
| てんかん(発作) | 47% (27/57) | 小児期に始まり、発作のタイプや頻度は多様。 |
| 低身長 | 39% (22/57) | 逆に高身長となる例も稀にある。 |
| 小頭症 | 33% (19/57) | 大頭症が見られる例もある。 |
| 頭蓋縫合早期癒合・頭蓋変形 | 32% (18/57) | 特定の部位に限らず、頭の形に特徴が出ることがある。 |
| 先天性心疾患 | 19% (11/57) | 心房中隔欠損(ASD)が最も一般的。 |
| 痙縮(手足の突っ張り) | 19% (11/57) | 主に足に見られる。 |
| カンプトコーミア(腰曲がり) | 100% (3/3) | 成人期(20代)に立ち姿で腰を前方に屈める症状。 |
そのほかに、ジストニア(不随意運動の一種)がみられる場合があります。
※参考論文(動画付き):PDFが開きます

早期からの適切な介入が、生活の質(QOL)の向上につながります。
出典: Bryant L, Bhoj E. Bryant-Li-Bhoj Neurodevelopmental Syndrome. GeneReviews® . (2023)